内部通報窓口の設置について、大変だ、面倒だ、と感じる経営者もいると思います。「 内部通報制度 」の必要性について、お聞きかせください。

お気持ちはよく分かります。
経営者の皆さんは本当にお忙しいと思いますので。
しかし、極端な言い方をさせていただくと、内部通報窓口がない会社は「 時限爆弾 」を抱えているようなものです。

まず、内部通報の制度を守っていない場合は法的なペナルティが課せられます。
従業員数が300人を超える企業は公益通報者保護法に基づき、内部通報制度の整備が義務となっています。
また、従業員数に関わらず、ハラスメント相談窓口の設置は、改正労働施策総合推進法( パワハラ防止法 )ですべての企業に義務付けられています。ですので、全ての企業に関係があることなんです。
内部通報制度と、ハラスメント窓口の違いはなんですか?

ハラスメント窓口は、セクシャルハラスメント・パワーハラスメント等のハラスメント事案に特化した窓口です。
一方で、内部通報制度および窓口は、横領・経費不正・労務違反・企業倫理違反などの法令違反や不正行為などを対象とします。
内部通報窓口は、ハラスメント窓口を兼ねるケースも多いです。
窓口がないことでどんなことが起きる可能性があるのですか?

ニュースやSNSで目にしたことがあるかもしれませんが、「 社内のトラブルが、経営者の知らないところで一気に世間へ漏れる 」ということが起きています。
企業規模で義務化されている範囲は異なりますが、全ての企業に関係がある話だと思います。例えば、社内で不正が起きた場合に通報できる場所がなければ、従業員はどうするかというと、SNSに投稿したり、マスコミや行政に直接通報することができる時代です。
このようなことが起きると、ブランドイメージの失墜だけではなく、取引先停止、採用への影響、最悪の場合は倒産に追い込まれるケースもあります。
仕事柄、ニュースを見ていて、窓口があり、適切に対応することができていればもっと違う結果になったのではないかと思ってしまうことも多いです。
不祥事がないことが1番だとは思いますが、制度があれば違う結果になったかもということもあるのでしょうか?

内部通報制度は「 告げ口の場所 」といったイメージを持たれる方もいるかもしれません。
しかし、経営にとっては「 リスクの早期発見システム 」とも言えます。早い段階で情報が入れば、適切な調査と是正ができます。
不祥事がないことが1番ですが、早い段階で把握して、適切に対応することで、法的責任や企業へのダメージを最小限に抑えられます。
また、制度を周知することは「 うちは不正を許さない 」という姿勢を社内外に示すことは、企業の信頼性の向上にも寄与します。
