Eコマースでは、消費者が直に商品に触れられないなどの特性から、商品やサービスの価格や品質、性能などを積極的に消費者に表示する傾向があります。この場合、不当な表示や広告を禁止する景品表示法に注意が必要です。

うちの商品の売れ行きが悪いにゃー。
どうにかしにゃいと…

…そうにゃ!嘘でもいいからちょっと大げさに宣伝してみるにゃ!
日本一売れてるキャットフードって書いちゃうにゃ!

ちょっとまって!
嘘のキャッチコピーを付けたりするのは、「 景品表示法 」という法律に違反するよ!

景品表示法? 何だにゃ?景品として出すわけじゃないにゃ!

景品表示法は、キャンペーンの景品の景品のことだけを対象にした法律ではないんだよ!
「 不当景品類及び不当表示防止法 」というのが正式名称なんだ。
にゃろみが、都合の良いキャッチコピーをつけたくなったように、どの会社も自分の商品が売れると嬉しいから、大げさに書いてしまったり(表示)、キャンペーンで何か特別なものをつけてしまったりしたくなるものなんだ。

でも、その表示が嘘や大げさなことだったり、景品があまりにも高額だったりすると、正しい選択を消費者のみんながしづらくなるよね。
景品表示法はこういう不当な表示や過大な景品類を規制し、公正な競争を確保することで、消費者が適正に商品・サービスを選択できる環境を守ることを目的としているんだ。

うーん。他の会社を傷つけたりしたいわけではないけど、それでも消費者のみんなに迷惑をかけちゃうってことなんだにゃ。
でも悪気はなかったんだにゃ。
何気なく法律を無視してしまうのは怖いにゃ。どんなところに気をつければ大丈夫なんだにゃ?

にゃろみは通販でキャットフードを販売しているんだよね?じゃあ今回は、Eコマースで気をつけるべき景品表示法についてお話するね!

お願いするにゃ!

気をつけてほしいのは2つ!
① 優良誤認表示 と ② 有利誤認表示 だよ!

ん?お名前が似ているにゃ!

ひとつずつ説明するね。
① 優良誤認表示 というのは、商品や表示サービスの品質を実際よりも著しく偽って宣伝する表示のことなんだ。

例えばどんな感じにゃ?

例えば、形状が似ているからといって、中綿ジャケットをダウンジャケットって表示しているのをたまに見るよね。
本来は羽毛(ダウン)が入っているからダウンジャケットと名乗れるわけだから、中綿だったら名前で嘘をついているということになるよね。こうやって、商品の品質や規格を勘違いさせることなんだ。

にゃろみはそんな悪い嘘はついてないにゃ。

でも、日本一売れているわけではないのに「日本一」って書こうと思ったよね?日本一だっていう根拠は示せる?ちゃんと調べた?

・・・。調べてないにゃ。でも、今のところ大手さんには敵わないにゃ。

ほら。これだって立派な優良誤認ってことになってしまうんだよ。
たくさん売れているから信頼できるって勘違いさせたかったんでしょ?

そこまでの悪気はなかったけど、そういうことになってしまうということなんだにゃ。

① 優良誤認についてはなんとなくわかったかな?
続いては、② 有利誤認 についてだよ!
有利誤認は、商品・サービスの価格、その他の取引条件を実際よりも著しく偽って宣伝する表示のことなんだ。

例えばどんな感じにゃ?

例えば、「30日間全額返金保証」って書いてある広告とかを見かけるよね。
30日間のうちに不満があれば全額お金が返ってくる!なら、買ったものが気に入らなくても大丈夫だから買っちゃえ!って、売買契約の後押しになるよね。

それの何が悪いにゃ?

実際に、無条件で全額返金保証するなら問題はないんだ。
でも、実際は返金するための理由を求めて、その理由の妥当性を会社が判断して、そのうえで返金する、という業務フローだったりするよね。

なるべく返金したくにゃいからね。

それが問題なんだよ。だって、返金するってことが嘘になるでしょ?

にゃるほど!!
にゃろみのキャットフードは特にそういう記載はしてないにゃ!有利誤認はセーフにゃ!

にゃろみのサイトを見たけど…このキャットフードは80%オフで2,000円って書いてあるね。

そうだにゃ!
2,000円のキャットフードにゃんだけど、定価10,000円から80%オフってことにしたほうが、なんかお得感があるにゃ!

10,000円で販売してたことはあるの?10,000円で販売しているお店もあるってこと?。

にゃろみのお店は親切だから、開業以来ずーーーーっと80%オフにゃ!!
にゃろみオリジナルキャットフードはここでしか買えないからプレミアムだにゃ!

それって、もともと2,000円ってことじゃないか。販売した実績のない価格を定価にして、そこから割り引いて販売する、というのは立派な有利誤認なんだよ!

にゃにー!!!みんなハッピーな気持ちになると思っただけなんだにゃー!

だめだめ!

悪気はなかったのに…。もし違反するとどうなるにゃ?

まずは公正取引委員会、消費者庁、都道府県知事から調査が入るよ。そこで表示が違反でないことを示す必要が出てくるんだ。もし違反でないことを証明できないと、措置命令が出るよ(景品表示法第7条1項)。
場合によっては、課徴金の納付まで義務づけられるんだ(景品表示法第8条1項)。措置命令に違反すると2年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処せられるからかなり大変だよ!

にゃんと!大変なことになるにゃー!

そうだよ。にゃろみ。危ないところだったね。
バロンくん、説明お疲れ様!今日もタメになる解説ありがとう!
読者のみんなは理解できましたか?
景品表示法は良かれと思って書いたことが誤認につながってしまうというケースもあるため、特に気をつけないといけない法律の一つです。
商品やサービスの表示について不安な場合は法律事務所に相談してください。特に、商品やサービスを頻繁に開発している会社は都度気をつけないといけないので、顧問契約をおすすめします!